2018年 04月 17日
俺の最後の靴! |
今日も晴れたり曇ったり、相変わらずの金沢の天気で、昨日は今年初めて黄砂
が観測されました。
そんな今日の午後、私達の待ち望んだY様が来店されました。Y様は昨年の6
月に「最後の俺の靴を作りに行く!」と電話下さり、その後日、初来店されま
した。ゲージ靴を試し履きされて、採寸をして、モデルはHolyheadで10分仕
立てのビスポークの依頼を頂き、「ソールは如何致しますか?」「革!」、
そしてペドグラフ(採寸した用紙)の職業欄には「寿し」と記されていました。
7月のミーティングで常ちゃんと打ち合わせをしてその後3度目の仮縫いで右
足裏の親指と付け根の間に痛みがあるとおっしゃっるので、翌月のミーティン
グで、親指付け根の体重負荷を減らす様に打ち合わせをして、仮靴製作の依頼
を再び行いました。そして次の仮縫いは私の留守に行われ、ダイキから「まだ
痛みがあるそうで、他の部分の具合についても指摘がありました。」と現場報
告があり、私はY様に足について何か思い当たる事がお有りかダイキに聞いて
もらいました。」
そしてY様は腰の術後の具合が思わしくないという事が分かり、私は次のミー
ティングに向けての対策を考えました。それから私はY様の足の形をグラフか
ら切り出して、アーチクッションを含めたインソールを手作りしました。
今迄は常ちゃんや高野が作る靴(革)の形状でのフィットを提供していたので、
今回の様な作業の思いつきは初めてでした。そのインソールを入れた仮靴でY
様の右足付け根の痛みは消え、インソールを入れた左右のフィットを再度チェ
ックしながら、Y様にも具合の善し悪しを伺って、今回の本番の靴に辿り着き
ました。今日、本番の靴を履いて頂いた所、左足をタイトに感じられたので、
私はすぐに最後の仮靴にはなかった前部のクッションを取り除きました。仮縫
いの時に、「右が完璧で左のフィットがまだ少し、、、。」とおっしゃったの
で、その場は紐を締めて納得されたのを、後日考えてプラスしたのがやはり必
要無かったのでした。
Y様は納得されて、靴を受け取られ「これから休みの日に履く!」とおっしゃ
いました。腰の具合は良くなりつつあり、最近はゴルフも再開されたそうでし
た。
久し振りに来店されたU様とダイキを店内に残し、私はY様が歩いて新竪町か
ら犀川大通りの角を曲がる迄お見送りしました。Y様の最後の靴にHolyhead
が成りうるのはこれからでした。私達もY様もHolyheadもようやくそのスタ
ート地点に立ったのでした。
今、雨が降って来ました。明日はゆっくり輪島で休めそうです。
レザーでお作りした416も育って馴染んでいました。
オーダーされました。勿論、レフティ見國製です!
by kokon-y
| 2018-04-17 18:35
| Diary