2009年 12月 17日
KO-8 |
Brightonモデルのギザなしでトゥメダリオンはラムズホーンパターンの10分仕立てです
10分の出し縫い。ベージュの糸がイイー!
美しくくびれていますが力強さもあるインステッップ。
ホントーにちょい長、ちょいスクエアがKOKON流!
実はT様はKO-1で6足目で(10分4足、9分半1足)5足目にお作りしたドイツボックスマホガニーのセミブローグの10分がとても気に入られ、昨年の11月にバルモラルのフルブローグのオーダーについてご相談がありました。
履いてこられたセミブローグ
そして、それをカールフロインデンベルグのダークブラウンボックスカーフを使い、10分仕立てでお作りすることになり、ラストについてはトゥのフォルムを少し変えて新しく見せたいという私の提案を受け入れて下さり、お任せ頂くことになりました。T様の一足を作る為のトゥ加工だけではなく、T様の靴づくりを通して作り上げる新しいラスト「KO-8」の研究にもなりました。
道のりはまだまだ続く。。。
まずは「KON-1」をベースに常世田にイメージを説明して木型の加工を頼みました。その後、つま先を革でつり込んで形を確認しながら何度かやり直し、ジェームスに頼んで木型屋さんで一足に仕上げた木型を使って靴を作ってみて、そしてまたやり直し。。。
今年の夏頃にようやくラストが出来上がりました。
いい色、いい質感ですね。
それからたまたま手に入れた一枚のダークブラウンカーフがなんとカールフロインデンベルグでした。(私の持っているものよりも少し厚く、光沢が最初から素晴らしかった。後で分かったことですが、高野に送ってクレマチスの小松君が見たら、鞄用ということでした。)私は「よし!これで作ろう!Tさん喜ぶぞ。」と決めて。10月のミーティングで高野に頼もうと思っていたところ、ひょっこりとT様が来店されました。
私のこの注文画から物語が始まった。
ご友人との用事もあり、靴クリームを求めてのご来店でしたが、私が良いラストがようやく出来上がったことを伝え「丁度、今こんな革が手に入ったんですが。これで(作ったら)どうでしょう!」と革をお見せしたところ、大変喜ばれ「グッドタイミングでしたね!時間はかかっても構いませんので。」と言っていただきました。
そして今月初めに出来上がったのが「この靴」です。
履かれながら「かたいけど、柔らかい!」とおっしゃるT様。私には伝わりました!
ラストも新しく、型紙のバランスも高野に任せましたが、T様に履いていただいて足入れもジャスト!(実はT様ずーっとパターンオーダーです!)T様はいつものように履かれたままで何時間もうれしそうにいらっしゃり、私と2人で「これ最高だね!」「これ、絶対にいいですよ!」を連発していました。(この間Aberdeenをお送りしたK様もコレやりたかっただろうな〜。)この1台のKO-8の活用はこれから考えてゆくつもりですが、いち早くT様はこれを使ったカールフロインデンベルグの黒のキャップトゥを春にオーダーされることを約束され、満足そうに帰られました。すぐ高野に連絡し、次のオーダーを頂くことも伝えたら、「ココンさんはスゴイっすよー。」と言われ、すぐに「お前だヨー!」と答える私でした。思えばT様も含め皆で作った一足だったんですね。これからもガンバリます!T様、皆、ありがとうございました。
by kokon-y
| 2009-12-17 15:31
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