2017年 10月 13日
新しい提案 |
コ・ワ・テ・ブは何年か前から、使い良い靴ブラシで磨くと靴も人も喜ぶと考え、
一生モノのブラシを提供したいと、いつも心に念じていて今年実現した企画です。
また、以前御常連のH様がエルメス本店を訪ねられた時にジョンロブのスタッフ
から「私達の求める(靴の)黒はジャパン(漆黒)です。」と聞かされたという
話を私はずっと心に持っていて、家にある輪島塗の器やテーブルを意識して眺め
るだけでなく、小箱や飾り盆等を購入して”その黒”を自分の目に焼き付けようと
しました。幸いにそのお話を聞く以前の2002年にカールフロイデンベルグを
購入して、高野に作ってもらう靴の殆どに利用していた為、店内に並べてお客様
対応をしながらKO−1ラストの開発をするうちに、少しは私に”その黒”を判断す
る下地の”目”が出来つつあったのかと考えます。(カールフロイデンベルグはエ
ルメスの御用達だったと聞いていたので。)
そして昨年の2月の輪島での「55歳、2度目の成人式」で再会した九尾とのそ
の後の交流から、輪島塗、特に”漆”に対する私の関心が実践に転じました。実は
その一年前には忠兵衛親方との出逢いで既に、レフティ見國さんのクラフトによ
るコースターに漆加工をして頂いた事があり、”漆皮(しっぴ)”という伝統技法
を利用した製品の提案も行っていました。
しかし九尾との出逢いでは、私の心の中に持っている”その黒”への想いがはっき
りと引き出され、昨年の5月から靴に漆加工する案を彼に相談し、その準備と実
験を行ってきました。彼は幾つかの漆のデータを県の工業試験場から取り寄せて
は、私が持ち込んだ革に実験を繰り返してくれました。この新しい提案は後々に
良いデジタルカメラを購入してから纏めて発表したいと思います。
このようにずっと思い続けている企画もあれば、急に思いついた提案もあります。
今回の提案は、ミーティングで常ちゃんから「ベティス(イルチア)の加工は難
しい。」という意見から話し合っているうちに考えた企画です。それは「素仕上
げ」した靴のアッパーをオーダー、購入された方がお好きに仕上げて頂ける靴の
提案です。同じイルチアのナバホでもお客様から同様の依頼がありましたが、私
達もこの企画は面白いと思いました。コードバンにしても自分で仕上げて育てて
いく愉しみは、特に男性の中にお持ちになられている方が多いと思います。
”素仕上げ”は何もしないのではなくて、以外と気を使う仕上げですので通常と同
価格になりますが、御興味のあるお客様はどうぞオーダー下さい。そして自分流
の靴に育てて下さい!宜しくお願い致します!
ワイン9分半仕立てです。税別¥170,000
by kokon-y
| 2017-10-13 18:49
| Diary